2017年10月13日、公益社団法人東京青年会議所渋谷区委員会は中野区委員会、杉並区委員会と合同で東京都第7区および第8区のWeb公開討論会を行いました。ここで、渋谷と中野を中心とする東京都第7区の議事録を公開いたします。
原田:
ただいまより衆議院議員総選挙、東京第7区の公開討論会を始めたいと思います。私、本日コーディネーターを務めさせていただきます、NPO法人YouthCreate代表の原田と言います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は2名の立候補者にお集まりいただきまして、ご多忙の中、本当に、そしてこの遅い時間にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
この、衆議院選挙ということで、日本の未来について各候補者の皆さんと、いろいろお話をお聞きしたり、議論をしていただいて、そしてインターネットで視聴している皆さんにもいろんな主張が届くような、そんな機会を作れればなと思っております。
まず初めに、本公開討論会の登壇基準に関しまして説明をさせていただきます。本日の公開討論会は、限られた時間内で討論内容を充実させるために、登壇基準を設けさせていただいております。登壇基準としては3つです。
1つ、国政政党(国会議員5人以上の公認または推薦のある立候補者)。
②国会議員経験者。
③地方自治体の組長経験者。
以上の3つの条件のうち、1つでも該当する立候補者に関しまして、参加依頼をさせていただいております。
また、参加依頼をさせていただきましたが、本日欠席となりました候補者に関しては、席だけ用意しております。なので席が空いている方は欠席ということになります。
今日は皆さんの前で、このお2人の候補者に来ていただいています。向かって僕に近いほうが、立憲民主党、長妻候補です。どうぞよろしくお願いいたします。そして、あちら側にいらっしゃるのが自由民主党、松本候補です。どうぞよろしくお願いいたします。
また、出席依頼をさせていただきました、もう一方の候補、希望の党の荒木候補に関しましては欠席ということの連絡を頂いております。欠席の連絡を頂きましたファックスについて、少し読ませていただきます。
貴法人主催の衆議院議員選挙、公開討論会の件、恐れ入りますが欠席とさせていただきます。荒木章博候補は、熊本2区から東京第7区への選挙区変更のため、選挙準備期間も十分でないままの出馬となりました。誠に勝手ながら、ご理解たまわりたいと思います。荒木候補は連日取材対応中も地元まわりを休むことなく続けられており、スタッフとしては荒木候補のお体の心配を優先させていただくこととしました。最後に、ほかの7区候補の方のご検討をお祈りして、返信とさせていただきます。
ということを頂いております。
それではまず最初に、お二方から最初のご挨拶ということで、お1人1分で話を頂こうと思います。あちらに時計があって、あそこでカウントダウンがされます。1分の時間が経ちましたら、タイムキーパーの方がチーンと鳴らしていただくということになりますので、まずは長妻さんから1分でご挨拶を頂ければなと思います。
長妻:
どうも皆さま、こんばんは。私はこの度、立憲民主党を立ち上げて、そこの公認候補として立候補しております。長妻昭でございます。
今、政治の中で理念が揺らいでいる。理念がぐらいついている、今だからこそ、理念を高らかに掲げる、この立憲民主党、結党をしたところであります。政治に今、最も重要な価値、そして今、最も軽んじられている価値、この2つ、立憲主義と民主主義、これを党名に刻み込んだのがこの立憲民主党であります。
国家権力の暴走を許さない、そして民主主義を、真の民主主義を取り戻す。こういう目的で我々は結党いたしました。長妻昭、私もこの政党の中で、全力で戦っていきたいと思います。ぜひ、ご指導いただければと思います。ありがとうございます。
原田:
ありがとうございます。時間ぴったりということで。続いて松本さん、よろしくお願いします。
松本:
こんばんは。こんな機会を与えていただいて、大変ありがたいと思っております。私たち自由民主党は、立党以来、揺らぐことなく、その綱領に従った政策、これを主張して長らく国民の皆さんのご信頼を頂いて、政権を運営させていただいた政党であります。
一時、8年前だったでしょうか、野党に、私たちは転落をし、政権を失いました。失ったときに、なぜこれほどひどいことになってしまったのか、強い強い反省、これを重ねました。そして、立党の原点に帰って、党を立て直すということを誓ったところであります。この思いを持って、今度の選挙に臨んでおります。ぜひ、ご理解を頂きたいと思います。
原田:
ありがとうございました。カメラ目線は、一番奥ですね。あそこが無人のカメラになっております。なかなか慣れないですね、カメラだけがいても、どう話そうかというところなのですが、あちらのカメラが中心のカメラになっているようです。
今回の討論会、大きく3つのテーマでお二方にいろいろお話を伺おうと思っております。各テーマ冒頭、それぞれ3分ずつ、そのテーマに沿った主張をしていただいて、その後、お互いで、各候補に互いに質問し合っていただいても構いませんし、あるいは司会の僕のほうから追加で質問をさせていただくこともあるかなと思っております。
1つ目の質問に関しては、発言の順番でまず松本さんからお伺いをすることになりますが、こんなテーマで行こうと思っています。
アベノミクスの評価については、与党はデフレから脱却して、企業の競争力が強化され、雇用が拡大したと成果を強調します。他方、野党は円安株高によって、輸出産業、富裕層だけが恩恵を受け、格差が広がったと批判します。
この会の主催は、青年会議所の会員の多くは、中小零細のサービス産業であり、需要面では国内の個人消費が伸び悩み、供給面では人手不足で苦労をしております。
そこでお聞きしたいことは、中小零細企業の振興にとってこれが必要、ということを候補者としてなにをお考えかお聞かせください。中小零細企業の振興にとってこれが必要、ということをお聞かせください。3分あります。
松本:
私たちは、アベノミクスという政策を掲げました。そして、一番政権奪還をさせていただいたときの公約に、成長する経済を取り戻して雇用を確保する、大きな約束でありました。そのために、アベノミクスという経済政策、これをもって5年間、今日に至っております。その間、もう数字の上で明らかなように、あらゆる指数は、経済が成長しているということ、ご理解を頂けるというところまでやってきました。
加えて、雇用環境も大いに改善をされたところであります。GDP、国民総生産も大変大きく伸びました。50兆円、名目で50兆円増えたと考えております。このことが全てではなくて、言われるとおり、限られた人たちの利益につながって、格差社会が拡大をした、こういうご批判を頂いているわけでありますが、しかし、それでも全体として、GDPの成長というのは、この国にとって大変重要な課題だ、このように考えております。
中小零細企業に限って、今どういう政策が必要か、こんなことを問われているわけではありますが。私たちはあの不況の時代から、中小零細企業の皆さんに対する金融政策、あるいは東京で言えば、元気出せ、商店街予算。こういったこと、こういった細かな政策を積み重ねてきているわけでありますが、しかし、それでも足りないという状況。これを、これから打開をしていかなくちゃいけない、強く考えております。そして、中小零細企業、あるいは産業によってこれもまちまちであります。それぞれの産業、あるいはそれぞれの地方の現場、その現場の声を大切に、中小零細企業の振興に努めていかなくちゃいけない。
アベノミクスの成果が、自分のところにはまだ届いていないよ、こう言われる方が大変多いわけでありますが、誰もが、景気が少し良くなってきたね、と感じていただける、そういう努力をこれからも積み重ねていきたい。強く決意をしているところであります。
原田:
ありがとうございます。引き続き同じテーマ、中小零細企業の振興について長妻さん、よろしくお願いします。
長妻:
まず今、日本国の経済の大きな問題は、実質賃金がなかなか伸びていないと。これが結果として個人消費の低迷にもつながっている。GDPの6割を占めるのが個人消費でありますから、これが、日本経済が大きく低迷している大きな理由である。そして、非正規雇用が4割を超えるということで、年とともに年収が上がらない、そういう働き手が相当増えている。これも経済を低迷させている大きな理由だと思います。
そこで、今、中小零細企業の振興ということにとってなにが必要かということでありますけれど、一番重要なことは、やはり労働生産性を上げていく。やはりサービス業を含め、中小零細企業の労働生産性、今、低いわけでありますから、これを上げていくということが最も重要になるということであります。
その中で、1つは、その中小零細企業、中小企業で働く方々のスキルを上げていくための職業訓練。今、日本では、会社に入った社員の職業訓練は会社が責任を持ってやると、これが当たり前になっていますけれど。これは世界の常識とは違って、ヨーロッパの国々は、一旦社会に出て会社に雇われた労働者に対する職業訓練も、国や自治体がある程度、責任を持ってやると、こういうような体制が整っている国もありますので。
私も厚生労働大臣をさせていただきましたが、やはり公的な職業訓練、社会に出た後の職業訓練が非常に日本は、薄い国でありますので、ここを相当強化する。そして、ソフト面の研究開発、IT、デザインなどの支援。これを自治体や国が支援するメニューももっと拡充する必要がある。
そして、先ほど松本先生もおっしゃられましたが、無担保無保証融資制度の、もう少し推進というか。むやみやたらに推進すると、これは焦げ付けが増えるわけでありますけれど、そうではなくて、きちっと目利きの方を厳選した上で、そういう無担保無保証融資をきちっと進めていく。
そして最後に、やはり正社員を雇用していただくということは、企業にとっても、中小企業にとって非常に大きい、重い決断であります。正社員を雇用していただく度に、一定程度の奨励金のようなものを支出させていただくというようなことも、きちっと制度化していく必要があるんじゃないかと思っております。
原田:
ありがとうございます。今、お二方からそれぞれ3分で政策、意見を表明していただいて。ここからは、お互いによる、お互いの候補者への、なにか質問されたいことがあれば質問していくという、そんな流れにさせていただこうかなと思っています。
時間としては質問する方も、質問を1分以内でしていただいて、答える側も1分以内で質問していただく。時間としては、まだまだ使えますので、何回かやり取りができてもいいかなと思いますし、場合によっては冒頭お伝えしたように、僕から司会の権限で、お二方になにか追加で質問させていただくかもしれません。
まずは松本さんから、長妻さんへの質問、あるいはお聞きしたいことがあれば、そこから話を進めようと思いますが。
松本:
特にありません。
原田:
大丈夫ですか。
松本:
先ほど、長妻先生がおっしゃっていただいたような、スキルを上げる、30になっても40になっても、50になっても、その時点から職業訓練だけに限らず教育を受けられる、そういう国の体制を整えていかなくちゃいけないし、そして、正規社員になりたいという方がなれる社会にしなくちゃいけない、ということ。そしてまた、ソフトの分野での支援もしなくちゃいけない。おっしゃられることは、全くそのとおりだと思っております。
それが、今の余分の財政能力と、そして行政能力と、全体的なバランスの中でどのように行われるかということが大きな課題だと思っております。
原田:
ありがとうございます。それでは松本さんから質問ではなく、追加の主張ということで、一旦松本さんの出番、ターンを終わりにして。
次、じゃあ長妻さんから、できれば司会としてはなにか質問をしていただいたほうがいいかと思いますが、プラスで主張を引き続きされても、どちらでも構いません。お願いします。
長妻:
今のテーマは中小零細企業の振興というテーマでありますけれど、中小企業、零細企業にとっても重要な、経済全体の話を、質問というか、私の感想を申し上げたいのですが。
一番、私が日本経済で心配しているのは、いわゆる国債バブルが起こっているということです。これは、ご存知のように日銀が、歴史上、かつてないほどの国債を購入し続けていると。これ、先進国でもこれほどのものは、規模はないのではないか。アメリカも抜いていますから。
こういう、国債を買い続けることによって、国債の価格が暴騰して、逆に言えば、長期金利が非常に低い水準で強制的に抑えられている。これを、このままずっと続けていって、国債バブルが崩壊する危険性はないのかというのが最大の危惧でありまして、出口戦略の話です。
原田:
ありがとうございます。そして、今の長妻さんの話に対して、松本さんからお答えをお願いします。
松本:
先生がおっしゃられるとおりです。世界に類を見ない、異次元の金融緩和ということでこれを始めました。しかし、この政策があったればこそ、今の景気状況というのが生まれているわけであります。
これをしないで、経済規模の縮小がずっと続くということ、この二者択一の中で私たちは勇気を持って、今の政策、判断をしたということであります。
まだ日本全体の財政、大変厳しい中にあって、規模、プライマリーバランスの、きちっと取るんだという動きも、少し延長していかざるを得ないという状況の中で、大変難しい問題だと考えております。
原田:
ありがとうございます。
それでは追加で、僕からこのテーマに関して、お二方に同じ質問を投げかけたいと思いますが。今、中小零細企業の話を進めていたのですが、それと逆にいったときに、当然大企業があって。
大企業の内部留保が増えている。大企業の中にお金が溜まっているのだが、それが人に出ていかない、あるいは社会に出ていかないということも言われているかなと思っております。
その後、大企業の内部留保が増えていることに対してどのように思われるか、あるいはそれに対してなにか政策等をされるような意図があるのか、そこについてお聞かせをいただければなと思っております。
順番的には長妻さんからお答えいただいて、その後、松本さんにお答えを頂くということでお願いをできればなと思います。
長妻:
今、大企業の内部留保が史上空前の規模だと、こういうふうに言われておりまして、一部、識者の中には、内部留保に税金をかけるべしと、こういう議論もありますが、私はそれは一概に頷くことができないです。
やっぱり日本は自由市場の国でありますから、企業は自分の判断で内部留保を増やしているわけです。つまり個人消費が低迷している中、設備投資を増やしても、結局、余剰設備になってしまう。過剰供給になって利益が上がらないことになる。
ですから企業は、基本的には自己防衛として内部留保を積み上げている側面もあるにも関わらず、それを強制的に吐き出して、企業が、将来、資金繰りが困難になったときに、お国が助けてくれるのかというと、そんなことはないので。我々は、私は、最低賃金をヨーロッパ並みに上げていく。日本は先進国で最低レベルですから、そういうことが必要だと思います。
原田:
ありがとうございます。松本さん、引き続きお願いします。
松本:
内部留保、先生がおっしゃったとおり、政府が内部留保をしてくださいとお願いしているわけでは決してありません。しかし、あのバブルが弾けたときに、銀国から各企業は返済を強く求められて苦労をされたという経験、これが未だに企業のマインドの中に残っている。
従って、会社のお金、これについてはなにがあっても即対応できるように、とこういう用意が、そのマインドが働いているというのが1点。
2つ目は、新しく投資するという、新たな産業分野というのが未だ出てきていない。この2点だと、こう思っております。
原田:
ありがとうございます。お互いなにか、お互いに質問したいことがあれば、そちらを優先しようと思います。もしなければ僕からもう一問質問を、このテーマに関してなにか投げさせていただこうかと思いますが、いかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
少し、働き方のお話を、もうちょっとお聞きしたいかなと思っていて。いわゆる同一労働同一賃金という話が、お2人の党の、政党の中にもそれぞれ入っていると思うんですが。あとはもう一つ、いわゆるホワイトカラーエグゼンプションのような、一定程度の収入がある方に関して、どのような働き方、あるいは雇用の契約を結ぶかということが昨今、いろいろ議論されていると思っております。
その働き方の法律の部分であったり、あるいは企業と雇われる側の契約の部分に関して、今後なにか進めていかなければならないのかと、あるいは今後こういうことをやらなければいけない、そういうことがあれば、お伺いができればなと思っております。順番から言うと、次は松本さんからお伺いできればなと思います。
松本:
私たちは、働き方改革を進めたいと思っております。今、語られる非正規と正社員というのは、働く側が自分で選べない状況の中で、非正規というような状況になっております。非正規で働きたいという方々の職場、これをきちっと用意をしなくちゃいけないと思います。
同様に、大変高収入の方々が、私は非正規で、と言いましょうか、そういう形で働きたい。そういう希望にはきちっと沿っていかなくちゃいけないんだろうと。多様な働き方を認める、そういう制度、設計にしていかなくちゃいけないと。
昨今、過労死という状況が、日本を代表する企業の中で行われている、許しがたいことだと思っております。
原田:
ありがとうございます。長妻さん、よろしくお願いいたします。
長妻:
これ、いろいろあるんですけれど、1点だけ。おそらく秋の臨時国会に出てくる法案で、裁量労働制を営業マンにまで広げるという法律を、政府は提出を予定しております。これについては大きな問題があると思っております。
これは年収に関係なく、一定以上の、高プロではなく、年収が低くても高くても関係なしに、営業マンにも裁量労働制という制度を導入する。今は禁止されていますけれど。
これが解禁するということが入りますと、ほとんどの営業マンが、残業を一定以上しても残業代が出ないと、こういうことに陥るのは火を見るより明らかで。この制度の導入を一番声高に主張したのが、電通でありまして。それを政府がお先棒を担いで、法案を出して通そうとしているということについては、おそらく強行採決するのではないかと思います。とんでもない話です。
原田:
ありがとうございます。ここで1つ目のテーマを終わりにさせていただいて、また2つ目、3つ目と同じような形で進めさせていただければなと思っております。
2つ目のテーマに関して、またそれぞれ3分、お話ししていただくのですが、2つ目のテーマに関してお伝えをします。
今年、東京青年会議所、この国会討論会主催の東京青年会議所は、和の心を世界へ、を活動のスローガンとしているそうです。和の心とは、相手を慮り、違いを認め、調和を目指しつつ、新たな価値を生み出す姿勢であり、いわゆるダイバーシティマネージメントです。我が国は島国、均一な国民性、村社会とも言われており、多様性を生きる、調和していくというのが苦手であるというような話もあります。
実際、外国人やLGBTの方、あるいは障がい者が社会で活躍できる体制が整っていないというような意見もよく聞かれるのではないでしょうか。
そこでお二方にお聞きしたいことは、このまさにダイバーシティ、多様性の部分です。ダイバーシティ、多様性の調和について、どのようなお考え、どんな政策が必要だ、現状どうだ、そのあたりのことについてお伺いをさせていただければなと思っておりますこの質問については、長妻さんからお伺いできればなと。3分でお願いします。
長妻:
まさに、我が党自身の結党の理念が多様性を認める、多様な生き方を認める、多様な価値を認める、こういうことを最も大切にする政党でありまして、この和の心について、青年会議所がおっしゃっていることは全く共感できるものであります。
たとえば、日本で言えば、障がい者に対する政策が先進国でも最低レベルである。そして差別も非常に大きいということで、我が党が主導して、障害者差別解消法というものを制定いたしまして、この法律に基づいて、いろいろな、各方面に障がい者の皆さんが共生社会、共に生きる社会として、健常者と一緒に生活できるような環境を整えるということを、さらに進めなきゃいけない。
あるいはLGBTの差別を解消しなきゃいけない。この東京7区という選挙区に含まれる渋谷区では、いち早くLGBTの解消に向けた取り組みを、長谷部区長がされておられると。大変共感をできることであります。こういう社会を早急に作り上げないといけない。
そして、具体的には我々は、手話言語法という法律を制定すべきだというふうに考えておりまして。手話というのは、なかなか今、学校で教えるということができにくいわけで。これ、ちゃんと言語として認めていく。そういうようなことも大変重要なのではないかというふうに思います。
やはり、多様な生き方、多様な価値を認める社会というのは、非常に全員野球で、皆さんの能力が発揮できる環境が整う社会でありまして、強くてしなやかな社会になるというふうに私は考えているところでありまして。
やはり、人を排除しないと、そして誰も置き去りにしないと、こういうSDGS、国連の目標もございますけれど、そこに通ずる考え方だと思います。
エンギ?(26:48)という考え方もありますけれど、そこに通ずる日本の価値が示されるような取り組みにしていきたいし、我々も東京青年会議所のその活動を受けて、さらに法整備や啓蒙活動など取り組んで行きたいと思います。
原田:
ありがとうございます。では同じ質問に対して松本さん、よろしくお願いします。
松本:
私たちの国、聖徳太子の時代に、和を以て貴しとする、こういう国民性がありました。かつて朝鮮半島から異民族を、私たちの国にたくさん入っていただいて、私たちの文化に大きな影響を与えられた、こういう時代がありました。
いつの頃からか私たちは、単一民族であるかのような、そういう意識というのが出て来たわけでありますが。アイヌの人たちのように、私たちの社会の中にも、多くの単一民族ではない、という、そういう歴史もあるんだろうと思っております。しかし、こうした人たち、今、日本の農家で、外国の方々を収穫時期にお願いをしてお手伝いをしていただいたり、あるいは建築現場で多くの外国の方々が働いていただいていたり、というようなことがたくさんあります。
いずれ、これは差別をしない日本の社会がやってくると思うわけでありますが。しかし、これはやっぱり社会、それぞれの地域に暮らす人たち、この人たちの気持ちの中にある差別の心、これをどう除去していくかというのは政治の中で一概に上からなにかを言って人々の心の中が変わるということではありませんから、少し時間がかかるのかなと、こんなことを考えております。
LGBT、これは東京都が規制緩和をして、今、日本では夫婦関係にあるという証明がなければ、伴侶の方を認めないということで、働きに来ている方の一方を排除する、せざるを得ないというような体系になっております。こうすると、世界の優秀な技術者、優秀な方々が日本で暮らすのを嫌って、日本にそういう方々を招くことができないという現状があって、この制度改革、規制緩和を東京都のほうから求められております。
私たちはそれにきちっと対応した答えを、近々のうちに出さなければならないと、こう考えております。
原田:
ありがとうございました。また1つ目のテーマと同じように、お二方からそれぞれに対して質問があれば、それを受け、そういうところから続けようかなと思うのですが、松本さんいかがですか。長妻さんにこのテーマに対してお聞きをしたいことがあれば。
松本:
特にありません。特別、思いが違うというところが見受けられません。
原田:
分かりました。それじゃあ、一旦、松本さん終わりにして、長妻さんいかがですか。松本さんにお聞きをしたいこと。
長妻:
無理矢理だな。無理には。
原田:
そうですね。それでは、僕から無理に聞かせていただきますが。
松本さんのお話の中で、日本、聖徳太子の頃に移民のような形で朝鮮から受け入れ、朝鮮半島から来られた。そこでいろんな文化が広がったというような話を頂いたと思っております。じゃあ今、その現代に流したときに、移民の受け入れだとか、移民だけではなくて難民の受け入れに関して、そのあたり、難民の受け入れに関してご存知のように、なかなか日本は進んでいないという面も諸外国から見るとあるのかなというところも言われております。
そこでお2人にお伺いしたいのは、移民、あるいは難民の受け入れに関しての、どのようなお考え、拡充すべきなのか、どういう法制度をするべきなのか、そのあたりに関してお伺いできればなと思っております。
次、順番なので松本さんからお伺いをいただければなと思います。
松本:
私たちの国は、移民の皆さんということに対して、非常に恐怖心と言うんでしょうか、違う文化っていうか、生活習慣の違う人がある日突然、隣に暮らし始めるということに対して、大変警戒心が強い。
同時にまた、それもまたヨーロッパで、移民をどんどん受け入れている国々にあって、融合することに時間がかかったり、あるいは犯罪が増えたりというようなこと、これに対して日本人の警戒心というのが大変高いものがあります。
国民の皆さんが、そうしたことへの理解というのが、世界を、私たちの国から訪問をする。世界の方々が私たちの国を訪ねていただく、こういう環境の中で、もう少し国民的議論と言いましょうか、感想の交換が必要だというふうに思っております。
原田:
ありがとうございます。それでは引き続き、長妻さんよろしくお願いします。
長妻:
これ、移民と難民というのはやっぱり区別して考える必要があります。難民については適切に受け入れていくという対応が、国際社会のスタンダードとしての対応は必要だというふうに思います。
移民については、私は、少子高齢社会の中で、働き手として移民を入れなければ、日本の社会保障は持たない、こんなような文脈で語られることがあるのですが。こういう、労働力が足りなくて、日本人の老後が心配だ、経済が心配だということで移民を受け入れるっていうのは、その動機は私は良くないと思います。
やはり移民の方は、それでは、お年を取ったら、じゃあお国に帰れということは言えないですし、やはりずっと一生、そういう方々と共に暮らしていくわけでありますので、やはりこのグローバル化、これを進めるためにという動機で移民を入れるということであればいいのですが、今語られているのは経済の観点が非常に協調されている、それは違和感があります。
原田:
ありがとうございます。ここに関して、ちょっとお二方の考えの違いが見えてきたところがあるのかなと僕は感じたのですが。
松本さん、最初3分しゃべっていただいたときに、医療の実習生を含め、そのあたりで海外の方の労働力が大事であるということをおっしゃっていた。対して長妻さんは、労働力として海外の方を受け入れるところを見るべきではないとおっしゃっていたと。ちょっと、僕なりには違いが出て来たのかなということを感じたのですが。
引き続き、このテーマについてもう少し話をさせていただければなと思うのですが。
いかがでしょうか。移民を受け入れのときとかに、どのような、日本としてどのような目的を持って、あるいはどのようなために受け入れるのかみたいなところを、松本さんよろしくお願いします。
松本:
かつて小泉八雲さん、という方だったでしょうか、日本で確か一生を過ごされた方だろうと思うんです。
今、日本の人たちが、海外で老後を送りたいということで海外に行かれて、そこで暮らされている方もたくさんいらっしゃいます。日本という国が開かれた国として、日本で学びたい、日本で働きたい、日本で暮らしてみたいという海外の人たちにとって魅力のある国になってくれば、非常に狭い範囲で、労働力を、という、それも安い労働力を、って言うんでしょうか、そういう考え方には私も反対です。
原田:
ありがとうございました。長妻さん、同じような話を聞くことにはなるかなと思うんですが、先ほど松本さんは、安い労働力で、ということで反対だということには、おっしゃっていただいたんですが、いかがですか。
長妻さんはグローバル社会の中でいろんな人を引き付けると、先ほどおっしゃっていましたが、どのように引き付けることができるのが、どのような、今後また法整備をしていけばいいのか、そのあたりについてもう少しあればお伺いできればなと思っているのですが、いかがでしょうか。
長妻:
移民の政策は国家100年の計に立って考えなければならない。ある国では、移民を、労働力不足を補うために受け入れた。ところが、その移民の方々はお子さんをいっぱい産むし、あるいは労働力、安い労働力として非常に、そういう職場に進出するので、本国の若者の失業が増えて、その移民の方々を排斥するような。そして移民の方々が高齢化すると、もう働き手ではなくなるので、祖国に帰れみたいな、そういうことが起こったという例もありますから、よくよく考えなければいけない。
もし本当にグローバル化の観点から、労働力ではなくて、日本はそういう方々と共存するんだということであれば、語学教育を含めて、相当なコストをかけてインフラを整備して、そういう方々がきちっと日本に根付いて、日本語も話して、そして日本文化になじんでいくか、そういう融合政策をきちっと取るっていうのが前提で、お金とか経済の観点から移民政策を論じるべきではないし、そうすれば失敗すると思います。
原田:
ありがとうございます。もう少しこのテーマ、お伺いしたいのですが。
今ちょうど長妻さんが、教育のことをおっしゃっていただきました。もうお二方ともご存知のように、東京は特に、この選挙区では小学校、中学校に行くと、もう日本国籍じゃない方がいっぱいいらっしゃる。あるいは日本国籍じゃないけれど、日本語を学ばなきゃいけないのに、学べないままヒョウカ?(38:08)されてしまったりとか、いろんな状況があると思っています。
あるいはその外国籍の方の教育だけではなくて、障がい者、あるいはLGBTの方への理解であるとか、そのあたりの教育ももしかしたら、なかなかまだ進んでいない部分があるんじゃないかなと感じるところもあります。
なので、このへんのテーマに関して、このダイバーシティというテーマに関して、教育分野において、今後こういうことが必要だ、あるいは今ここが問題だ、そんなことがあればお聞きをできればなと思っております。順番からして長妻さんからお答えをできればなと思います。
長妻:
たとえば、障がい者の方、お子さんと、健常者のお子さんが一緒に、普通学級で教育を受ける。こういう現場を拡充していく必要があるというふうに思いますし。ここもいろんな問題がありますから、一朝一夕には、慎重にやらなければいけないんですけれど、そこが日本の一つの課題であると。
それと、あとは多様性を認めるような、そういう教育をもっと幅広くやる必要があるんじゃないかと。そこの、たとえば学校のクラスに、外国人の方をお呼びして、みんなで質問をしたり、そういう方々が日本で住んで、どういう不便があるのか、どういう課題があるのかをお聞きするような、そういう授業があってもいいし。
あるいはLGBTについても理解を深めるような、そういう教育があってもいいと思う。つまり多様性と言いながら、学校教育は多様性の観点、教える観点からはまだまだ課題があるんじゃないかと思います。
原田:
ありがとうございます。松本さん、よろしくお願いします。
松本:
こうした点については、この国は大変遅れていると思います。たとえば、長年日本に暮らす在日の韓国、北朝鮮の方々、日本語しかしゃべれない。
松本:
母国語がしゃべれないという方々もたくさんいらっしゃいます。しかし、国籍が違うということの中で差別というものが起こったり、というようなことが多々、問題として出てきております。こういう方々に、日本と同じ教育、これをしていいのかどうかということについて、在日の皆さんのプライドというものもありますから、母国への愛国心ということもありますし、なかなか難しい問題というのがいくつもあると思います。
ちょっと1分じゃ短いよね。
原田:
ありがとうございます。
もしも、今のこのダイバーシティのテーマに対して、まだ時間はありますので、このあたり、なにかお二人から、自らもう少し加えたいことがあれば、そこをお聞きをするという時間にしても大丈夫なのですが、いかがでしょうか。では松本さん、お願いします。
松本:
やっぱり教育の分野も、もう少し幅広い考え方、持たなくちゃいけないと思うんです。障がい者の皆さんも、知的障害の方と、身体的な障害を持たれた方と、同じ教育といっても、知的障害の方に合った教育っていうのはあるだろうし、そして体に障害を持たれた方々で、勉学についてはなんの影響もないよっていう方々は、やっぱり別に考えなくちゃいけないんだろうと思います。
海外の人たちに対する教室、教育、たとえば帰国子女の皆さん方、どの国で生まれて帰って来られるのか分からないです。そういう方々について、多様な教育ができる現場をやっぱり整備すべきだと思っています。
原田:
ありがとうございます。長妻さん、先ほど、長妻さんの中でも、もっと教育は多様でいいということもおっしゃっていたと思うのですが、もしも追加で話されたいことがあれば、長妻さんにも同じようにお渡しできるのですが、いかがでしょうか。
長妻:
いわゆるリカレント教育ということも、一つ、日本は遅れている分野ではありますけれど。
一回社会に出ると、もう学校に戻るということはなかなかないわけでありまして。一回社会に出た後に、もう一度、一定期間学校に戻って、いろいろな教育を受けて、また社会に出ると。その中では、やはり多様性、これから世界でさらに活躍、日本はしなければいけないので、そういうことも含めた教育をきちっとできるような。
先ほどもちょっと触れましたけれど、日本は学校を出た後の職業訓練や、あるいは教育、学び直しという機能が先進国の中で最も弱い国の一つでありますので、そういうところの教育の拡充と、かつ多様性を教えるような教育と組み合わせていくということも課題なのではないかと。
原田:
ありがとうございます。この2つ目のテーマ、最後もう一つだけ、僕からこのテーマに関連してお伺いをしたいのですが。
東京ならでは、ということではないのですが、災害時の対応について少しお伺いできればなと思っています。東京に関しても、いつ大震災が来てもおかしくないっていう状況の中で、やはり東北を見ても、あるいは九州の災害の現場を見ても、このような多様性のある方が、たとえば避難所でなにか難しいことがあるとか、あるいはそもそも日本語が上手くしゃべれないから、避難とかそういうことに対して、物資がもらえないとか、そういう課題っていうのも見えてきたことがあると思っています。
そのあたりに関して、このような政策、どんなことが必要だとか、あるいはこのあたりが課題だとか、災害時の、このようなダイバーシティのある方に対しての対応についてあれば、最後お伺いをして、この2つ目のテーマの最後とさせていただければなと思っています。順番で言うと長妻さんから、お願いします。
長妻:
これは本当に、おっしゃるように、重要な視点だと思います。これだけ外国の方が日本に住む時代。災害になったときに、避難所とか、避難の呼びかけとか、こういう緊急時にどういう形で外国の方にも理解をいただくようなことをするのか、というのが課題でありますし。
震災のときなど、私も聞いてなるほどと思ったのですが、たとえばペットが家族という、ご家庭というか、ペットは本当に家族の一員でありますから、やっぱり避難所にペットも連れて逃げたいと。ただ、なかなかそういう受け入れ態勢が取りにくい、というようなことなどなど、多様な方が、あるいはそういうペットの問題もありますので、やはりこれから、大規模震災、災害が起こったときの避難の在り方、これについても多様性を重んじる、そういうことが必要だと思っております。
原田:
ありがとうございます。松本さん、いかがでしょう。
松本:
災害が起こったとき、私、熊本で経験をしたんですけれど。私では、被災者の方が4000人を超えている。しかし、市の職員は246人しかいない。246人の中には、学校の先生とか、保育所の教師も含めて、全く規模が、支援をするほうと、されるほうが、全く逆転をします。そういう中で、東京なんかの場合は、その避難者の数が数千人で収まるかどうか、というような大変混乱した事態になります。
そうした中で、海外の人たちに、どういうサービスというか、避難を呼びかけるかっていうことに対しては、日頃からの支援者、ボランティアの皆さん、そういう組織を立ち上げていただいて、訓練をしていただいておく必要があると思っています。
原田:
ありがとうございました。2つ目のテーマ、ここで終わりにさせていただこうかなと思っております。ダイバーシティに関して、いろんな視点からお話をお伺いできたかなと思っております。
最後、3つ目のテーマに行こうと思います。3つ目のテーマに関してお伝えをすると、長期的な視野で今後の日本を見た場合、我が国が直面する最大の問題は人口減少を伴う高齢化、人口減少、少子高齢化ということは誰もが納得をするんじゃないかなとは思っておりますが。その人口減少に対応するために、少子化対策、移民政策は必要だなと、移民の話は少し先ほどお伺いしたと思います。
また、高齢化に伴って社会保障給付費が増えていく一方、財源には限りがあるというのも、これももちろんのことであります。
今回の選挙公約を見ると、消費税引き上げの凍結や、引き上げ後の国債償還ではなく、子育てや教育無償化へを増していという策も多く見られます。また、少子高齢化を前提とした場合、財政再建と両立する社会保証制度を維持するためには国民負担を増やす、あるいは、もしくは給付を抑制するか、いずれかが必要だと思いますが、もしかしたら第三の道、社会保障制度を維持するために国民負担を増やすのでもなく、給付を抑制するのでもなく、新たな道があるという考えもあると思っております。
そこでお二方にお伺いしたいのは、少しちょっと大きなテーマなので何回かやり取りをしていく話にはなると思うのですが、まずはこれまでの2本と同じように、社会保障制度について、どのような制度改革が最重要だと思っていますかと、そのような質問をお伺いできればなと思っております。順番で、松本さんからお願いします。
松本:
少子高齢化、働き方が少なくなるという状況、それでもこの国は活力を持ち続けなくちゃならない。活力を持ち続けるということは、元気な経済があるというのが基本であります。
しかし、これもまた限界があると、こう考えておりますが、将来、消費税をヨーロッパ各国並みに上げていくというのも、なかなか国民の理解は得にくいということを考えると、今の行政サービス、これをしっかり効率化していかなくちゃいけないと、こう思います。
医療、介護、年金といったサービスの中に、行政をもう少し効率化できないか。ITを、ICT、新しい時代の科学技術を導入することによってコストを削減する努力、これをしっかりやっていかなくちゃいけない。
松本:
サービスのレベルは下げないで、なおかつ、そうした高齢化、少子化の時代に備えるということ、これがどこまでできるかということについては、もう今の時代ですから、走りながら考えなくちゃいけない時代になってきているのではないか。
その走りながらも、走る部分はIT化、このことによる効率化、利便性を高める、無駄を排除する、こういうことの努力が、単に保障に関わる、社会保障にかかわる効率化ということではなくて、行政全般についてやっていかなくちゃいけないと、こう思っております。国から都道府県、区市町村に至るまで、私たちの社会は、技術は素晴らしいものがあるんですけれど、そうした技術を国民サービス、行政の面で使いきれていない、私はそう思っておりまして、早急に整備をしなきゃならんと考えております。
原田:
ありがとうございます。長妻さん、よろしくお願いします。
長妻:
日本は、国民負担率という観点から見ると、ヨーロッパの主要国に比べても低い国でありますが、その一方で福祉は中福祉の国であります。中長期的に見ますと、国民負担率をやっぱり上げていかざるを得ない。そうしなければ、少子高齢社会に対応できないということは、我々も考えているところであります。
その中で、消費税一辺倒でいいのか、ということでありますけれど、それも国民の皆様にいずれお願いをしなければならない。と同時に、たとえば日本では、年収が1億円を超えると、所得税率が下がってくると、こういうおかしな現象が起こる国であります。
これは金融所得の課税が、分離で20%と。年収が高い方は、金融の所得の比率が高くなるので、そういう現象が起こるわけでありますけれど。お金に余裕のある方に、もう少しご負担をいただくような、そういう税制改革も組み合わせて、中長期的にはご負担をお願いするという。
そして、社会保障というのはやはり、ご負担が、一定のがなければ財源として充実した社会保障ができないわけですから、そこらへんを国民のご理解を得ていくということは必要だと思っております。
ただ、今回我々は2年後に、今の自民党政権が消費税について、8%から10%に上げると、こういうようなことでありますけれど、これは我々のときの三党合意とは使い道が相当違うような話になっておりますし、しかも我々から見ると安倍内閣の信頼性というのは非常に今、低い。
5%から8%に消費税を上げるときも、我々が想定していた使い方ではない形で、8%の増税分、3%が使われてしまったと。今回、8%から10%に上げるときに、本当に今の約束している使い道となるとは私は限らないと思っております。国税庁長官が国会で答弁拒否した、森友学園の、理財局長が国税庁長官になるぐらい、信頼性も薄れているということで。
我々、野党の立場で、安倍総理がおっしゃっている消費税2%増税するということに関して、それが、安倍総理が約束したとおりに使われますから、皆さん信用してあげましょうと、これ言えるわけがないわけでありまして、今回2%の使い道、それが信頼性が低いということで、我々は賛同できないという立場ではありますが、中長期的には、さっき申し上げた考え方であります。
原田:
ありがとうございます。このシチュエーションと同じように進めたいのですが、また最初にどちらかから、お互いに質問をする、あるいは聞きたいことがあればそこを伺うということから始めたいと思うのですが、いかがでしょうか。このテーマに関しては、政策がそれぞれ異なっている部分も結構多いのかなと思うのですが。
どちらか、相手側に質問されたいということがあれば。
松本:
特にありません。
長妻:
あえて言えば、私がこだわっているのが、当初約束したのが、10%に消費税を上げるときに、予算額で言うと約6000億円弱を使って、今の、700万人の、今受給されている方、年金を、700万人の方、低年金の方、700万人に対して、最大、年に6万円、最大で6万円、年金を上乗せすると、こういうような政策が入っていたし。
あとは、総合合算制度ということで、これも消費税を10%に上げるときの目玉だったわけでありますけれど。これは障害、保育、医療、介護、この分野で自己負担が非常に増えた場合、これを一定額に頭打ちにすると、こういう目玉政策もあるわけですけれど、これはやるのか、やらないのか、っていうのは非常に今でも関心があります。
原田:
ありがとうございます。今の長妻さんの質問に関して、松本さん、いかがでしょう。
松本:
あのときの三党合意、これは基本的にはやらなくちゃいけない、っていうのは自民党も承知いたしております。しかし、政治っていうのは生き物でございますから、その状況に合わせてやるわけでありますが。
この三党合意、長妻先生に逆にお聞きしたいのは、それが完全にできなかったから、今、年金受給額が減って困っているとか、あるいは教育で、こういう部分で困っているとか、というのは確かに私たちは、この5年間でそういう費用も間違いなく上げてきました。
たとえば介護ですとか、保育に関わる人たち、に関わる企業等々も上げる方向でやってきたところであります。パーフェクトには行っておりませんけれど、三党合意に沿った形で、将来、着地点を見出したい。それ以上のところで見出したいと思っているんですが、ぜひその点はご理解をいただきたいと思います。
原田:
ありがとうございます。いかがなんでしょう。まさに消費税に関して言えば、国民から見れば、三党合意がそもそもなかったことになりかけている、あるいは消費税を上げるにしても使い方が違ったり、あるいは消費税を上げるタイミングも変わっているという。まさに消費税っていうのは、僕ら一人一人が、これは子供から大人まで、日々払っているのを感じる、ある意味、身近な税金だというところなのですが。
そのあたりに関して、もう少し僕からお伺いできればなと思っております。
消費税を上げることの必要性として、まさにプライマリーバランスの健全化ということのために、どんどん国の借金が増えていく状況ではさすがにまずいなということは、お二方とも同意かなと思うのですが。そこに関して、前回の選挙と比べて、あるいは今までの話と比べて、長妻さん、あるいは松本さんも少し明言というか、政党としてだと思うのですが、たとえば自民党であればプライマリーバランスの健全化を何年までということは、やりますとは書いてありますが、何年までというのは取り下げました、明確には。
長妻さんに関して言えば、ご自身でも、あるいは立憲民主党の政策の中でも、プライマリーバランスの何年ということは、特に触れられていなかったかなと思います。
ここに関して、少しお伺いをしたいのですが、じゃあ今、なにかもっと負担を、今なにか負担を直接増やす必要は、増やせないかもしれないっていうのも、将来的に負担を増やしていくっていうことは必要だということなのですが、それをいつまでに、どのような形でプライマリーバランスの健全化を目指して行くのかということについて、もう少し詳しくお聞きできればなと思っております。松本さんからお願いします。
松本:
プライマリーバランスに固執して、経済を駄目にしてしまったら元も子もない。あるいは国民の暮らしの苦しさを、そのためだけに放置していては、どうにもならん。政治になっていないというのが、私はあると思っております。
ただ、自民党が目指したプライマリーバランス、いつまでにやります、こう約束を変更するにいたったことは大変残念でありますが、年内か、年度内か、の中でこのプライマリーバランスの次の目標っていうのは明確にしなきゃならないし、するべきだと考えております。
原田:
ありがとうございます。長妻さん、いかがでしょうか。
長妻:
プライマリーバランスをいつまでに、ということなんですけれど。やはり我々、野党の立場で、政権の中に入っていれば、そこらへんは、いつ我々が政権の中に入れるのかによっても変わってくるので。今、自民党政権の中で、我々がそれを差配できない立場の中で、プライマリーバランスを何年に、バランスさせるっていうのはなかなか言いにくいということはご理解いただければというふうに思います。
これ、今までの約束は2020年にプライマリーバランスを黒字化するという約束でありますけれど、これはもう安倍総理もできないというような、今、意識でおられると思います。しかし、これは、2020年はできないにしても、やはり早期に実現するということが、私は必要だというふうに思います。
ドイツは、非常にうらやましいのは、一昨年、借金0で予算を組むということを実現しましたので、これは、早期のプライマリーバランス黒字化、この目標は捨ててはならないと思います。
原田:
ありがとうございます。加えて、もう少し負担の部分に関してもお聞きをしたいかなと思っているのですが。松本さんで言えば、行政の効率化、あるいはコストをもっと良くすることによって、いろいろ予算が使える部分が出てくるのではないかということではありますし、長妻さんに関しては、将来的に負担を増やさないといけないというところもおっしゃっていたと思います。
特にこれは、松本さんにまずお聞きをしたいのですが、長妻さんの先ほどの話の中であれば、所得の高い方に関する負担をもう少し増やすべきではないかというような趣旨のことをおっしゃっていましたが、松本さんはいかがでしょうか。どのあたりの負担を増やすことによって、プライマリーバランスを目指すのか。
松本:
負担という場合に、税で負担を増やしていくのか、そうではなくて、たとえば医療費とか介護費とかの負担、これを行政によるサービス部分に収入がいくら以上の方については、医療費も高くしますよといった、いろんな方法があるんだろうと思います。
そういう点で、特別高額の方々にはご負担というか、ご協力を願わなくてはならない、そういうときは必ずやってくると思います。貧しい人が同じ医療を受けても、貧しい人も、非常に高い収入のある方も、同じ治療を受けて、値段が、負担が同じということが、将来ずっとあるというふうには、私は思っておりません。
原田:
ありがとうございます。長妻さんも、これ先ほどご自身がおっしゃっていたことと少し重なってくると思うのですが、負担を増やすっていうところの中で、ご自身がおっしゃっていた高所得者以外の部分で、このようなところに負担をお願いしなければいけないのではないかとか、そのあたりがもしほかにあれば、お伺いできればなと思うのですが、いかがでしょうか。
長妻:
これ、当然、日本は累進、所得税の累進が相当フラットになってきて、ピーク時に比べると、半分とは言いませんけれど、最高税率が相当下がってきていると、所得税の。こういうところの累進をもう一度見直す必要があると思いますし。
最終的には、やはり消費税ということを国民の皆様に、いずれですけれど、将来的にお願いをせざるを得ないのではないか。ただ、そのときには、私は選択肢を示して、もしこのぐらいの税率であれば、社会保障は具体的にこういうふうに良くなります。でも、このぐらいの税率であれば、社会保障はこのぐらいの充実になりますと、選択肢をいくつか示して、時の政府が責任を持って国民の皆さんを説得すると、将来的にやはりそういう時期がやってくる、やって、そういうことをやらざるを得ない、そういう時期がやってくると思います。
原田:
ありがとうございます。次に、逆の視点で、これは松本さんがおっしゃった内容に近いと思うのですが、効率化の部分ですね。効率化をもっと進めることによって、そもそもかかる予算を減らす必要もあるんじゃないかということがあると思っています。
そこに関して、具体的に、どのようなところを効率化できるのか、もちろん効率化をしたい、やるべき、常に見直さなきゃいけないというのはあるのですが、じゃあ、どのあたりが今、無駄がありそうで、どのあたりが効率化できそうなことなのかって、もう少し具体的にお二方からお伺いできればなと思うのですが。長妻さんからお伺いしてもよろしいでしょうか。
長妻:
これはいわゆる税金の無駄遣いと言われるもので。私も、ひも付き補助金から、天下りから、特別会計から、随意契約から、官製談合から、頭文字を取ってHAT-KZシステムっていうことで、徹底的に取り組んでまいりましたけれど、そこをさらにまだ深堀りするということも必要です。
そして、実は、介護とか医療にも無駄があります。これは非常に、メスを入れる必要があるのでありますけれど、たとえば医療で言えば、薬漬けの問題。これも一定程度、解決しましたけれど、さらに深堀りしなきゃいけないし、介護については、過剰介護という問題もあります。
これ今、ケアマネジャーさんが、事業所に雇われているケアマネジャーさんが多いので、全てのケアマネジャーさんということはもちろん、申し上げませんけれど、一部のケアマネジャーさんが事業所の売上貢献ということで、ケアプランを非常に過剰に組んでしまう、こういうことも起こっておりますので、そういうところで、ケアマネジャーの独立性を高めるというようなことも必要だと思います。
原田:
ありがとうございます。松本さんは、お手洗いに行かれたので、しばしお待ちください。申し訳ありませんが。長い時間、1時間越え、長い時間になったので、松本さんが帰ってきたら、この質問は松本さんにお答えいただくという形にしたいと思いますので、しばしお待ちをいただければと思います。
動画をご覧になって、皆さん、ちょっと皆さんおトイレに行くなどして休憩をいただければなと思います。申し訳ありません。
ちなみに今、何人ぐらいの方がこの動画を見ていらっしゃるとか、運営の方、分かりますかね。結構いい時間なのでいっぱい見ていただいているのではないかなと思いますが。1万7千ぐらい、かなり見ていただいていますね。
今、松本さんがお手洗いに行かれている間、長妻さんの話として、介護とか医療のあたりに無駄の削減、コストのカットができるんじゃないか、薬漬けの話であるとか、あるいは過剰なケアプランを作成してしまっている部分で、ケアマネジャーの方を事業所から独立させて、それぞれ進めるべきだとか、そのような趣旨の話をいただきました。
質問から改めてお伺いするのですが、コスト削減の辺りに関して、じゃあどこが具体的に進められる可能性があるのか、そこに関して松本さんからご意見を頂ければなと思います。
松本:
私は、たとえばマイナンバーカード、これにそれぞれの方のデータを入れていただければ、朝、内科に行って、午後、整形に行って、夕方、違う病院に行って、そしてそれぞれで薬を貰って、帰って見たら同じ内容の薬がそれぞれに出ている。それ全部飲んじゃったら危ないよ、みたいな話。
こういったものはIT化、カードを使うことによって改善が進むんだろうと、こういうふうに思いますし、また、医療分野においても同じ検査を、それぞれの病院で2回も3回も受けるといったような無駄を改善できるのではないだろうか、こう思っております。そしてまた、街づくりでありますとか、もう時間切れですね。
原田:
すみません、走って戻っていただいた直後に申し訳ありませんが。
今、そのマイナンバーの話も頂いた。ちょっとせっかくなので、そこを膨らませていただいてもいいですかね。
原田:
マイナンバー施工されて、これはおっしゃるように、いろんな効率化だと。逆に見れば、税金の取りはぐりみたいなものも無くすようなところもあったりすると言うような面も、あったりすると思うのですが。まだまだマイナンバー、あるいはマイナンバーカードについても、どの分野まで広げていくのか、どういうふうな使い方をするのかっていうことが、まだ正直あんまり見えていない。
個人、一市民として言わせてもらうと、どこに利便性が高まったのか、今感じていない状況だったりします。
ちょっと、このテーマの3とは少しずれてしまうかもしれませんが、せっかくなのでそのあたりをお伺いできればなと思っていて。松本さん、引き続きになってしまう。マイナンバー、どうやればもっと活用できるのか。
松本:
マイナンバー、これは使い方によるのですが、個人情報の漏えいをない、漏えいをさせないということを前提にして話をさせていただくならば、今、たとえば区役所へ行って印鑑証明をとる、こういった申し込みをする、いろんなことをする場合に、全部ボールペンで書かなくちゃいけない、自分の名前から家族構成から、あるいはまた納税証明を取ってこいということになると、別のところに出かけなくちゃいけない。
一つのカードをリーダーに通すことによって、一気にそれがすべて解決するということになるならば、その担当職員の数は劇的に減らすことができるというふうに思っております。
原田:
ありがとうございます。長妻さん、いかがでしょうか。
長妻:
これ、当初想定されていたような利便性っていうのが、ちょっと感じられなくなっているんじゃないかと。
当初想定されていたのは、たとえばマイナンバーを導入すると、自分が気づかないサービスをお知らせしてくれると。たとえば、あなたは児童手当を貰えますよ、とか。あなたは、たとえばこういうサービスを受けられるけれど、申請されていませんけれど、申請しないんですかとか。ところが、そこがまだ見えないし。
あと、私が気がかりなのが、医療の分野にもマイナンバーを使うという議論があって、つまり、私がある会議で厳しく政府に申し上げたのは、マイナンバーは決して医療情報とリンクさえてはならないと。つまり、どういう病気を持っているのか、精神的な疾患があるのか、そういうことが分かってしまってはまずいわけです。漏えいしたときに、情報が。
あるいは、学校の図書館とか、一般の公共的図書館の情報、この人はどういう本を読んでいるのか、思想信条も分かる、そういうところの紐づけは万が一のこともあるからやめろということを申し上げましたが、ちょっと医療の分野でそれが使われつつあるっていうのが大変心配です。
原田:
最後、もう一言、このテーマについてもうちょっとお伺いしたいなと思っているのですが、年金の話を少しお伺いしたいと思っています。
年金に対しては支給年齢の話をするだとか、あるいは額をどうする、あるいは年金がそもそもない方を少なくするために、払う期間を短縮してももらえるように、いろんな改革が今に限らず、昔からずっと行われていると思うのですが。
やはりよく言われているのが、諸外国に比べて、これだけ少子高齢化になっているのに年金に支給年齢が、まだ日本は低いんじゃないか、もっと上げてもいいんじゃないか、というような話とかもあったりすると思っています。
結構面白い話があって、僕はよく中学とか高校に出向くのですが、中学生、高校生にどういうテーマに関心があるかって、やっぱり年金の話も結構あるんです。中学生ながら、高校生ながら。これは高齢者だけの話ではなくて、年金って将来どうなんだろう、みたいな話を彼らもなんとなく気にはしていたりするので、最後、年金の話についてお伺いできればなと思っております。
お聞きしたい内容としては、年金制度、どのようなところを、今後どう改善していく、どう変えていくのか、そのあたりについてお聞きをできればなと思っております。長妻さんからお伺いできれば。
長妻:
やはり日本の年金の最大の問題は、1つは、マクロ経済スライドっていう制度が入って、どんどん年金がカットされる、自動カット機能みたいな話なんですけれど。
将来的に、私は年金がもらえなくなるということはないと思います。国が存在する限り。ただ、お小遣い程度のものをもらって、これは年金ですと言われても、これは困っちゃうわけでありますので、最低保証機能が相当、日本は弱い。
ヨーロッパ諸国などを参考にしますと、税金で、年金の低い方に、最低保証の年金を手当てするような、そういう制度を持っている国もかなりありますので、そういう意味では老後の最低限度の生活ができるような、そういう最低保証年金の制度を、やはり日本も導入していくということが必要だと思うんです。そのときに公平性も担保しないといけないので。そこも留意しながらやっていくというのがまず、1つの改革だと思います。
原田:
ありがとうございます。松本さん、お願いします。
松本:
基礎年金、国民年金が導入されたのが、確か1960年、新内閣のときだったと思っております。
そのときに、第一次産業にお勤めの方というのは、農業、漁業、林業といった方々は、半分、会社が持ってくれるというわけにいかないわけです。それで大変に厳しかったんですけれど、そのときに、そうした第一次産業に従事する方々は、厚生年金、企業年金、共済年金に入れない方々が、年をとっても孫に飴玉の1つもくれてやりたいんだから、という強い要求に答えてスタートした、こういうような話が聞いたことがあるんですが。
そのときから国民年金というのは、基礎年金というのは、生活を保障する年金じゃなかった、という最初の設計からそうであった。そうであるならば、生活を保障する基礎年金という考え方で、新しく作るということであるならば、それを財源の部分から、もう一回大きく考え直さなきゃいけない。専門は、長妻さんの専門です。
原田:
せっかくなので、もう1回ずつこのテーマお聞きしましょう。ごめんなさい、1分で聞くのはちょっとあまりにも失礼だったかなと思います。
もう少し年金のテーマ、もちろんお二方がもう少し話す部分、話せる部分があるかと思うのですが、ちょっとあえてお聞きをしたいのが、今お2人とも最低限の生活ができる額を年金で担保するべきだというような主張かなと思っているのですが、それだとすると、松本さんがおっしゃるように、ガラッと年金を変えなきゃいけない可能性があると松本さんはおっしゃいました。
長妻さん、このあたりいかがですか。最低保証年金、最低の生活をする年金を払うために、年金制度自体をガラッと変えなきゃいけないのか、今の状況から少しずつ変えていくことによって担保できるのか、そのあたりいかがでしょうか。
長妻:
今、非常に、生活保護の現場で高齢化が進んでいると。とうとう、生活保護に占める高齢世帯の割合が半分を超えるということになりました。つまり、老後生活できない、生活保護が年金代わりというか、年金が脆弱だから老後、生活保護が増えた。
生活保護、本当は若い方が、一時的に生活保護に入って、その後に抜けるっていうのが制度の趣旨ですけれど、70歳の方が生活保護に入って、仕事を見つけて抜けるというのはできないわけ。ずっと生活保護になってしまう。
ですから、年金に一定程度お金をかけると、お金がないと言いますけれど、お金を一定程度かけないと、生活保護が増えるだけなんです。そこで、国庫、負担が増えていくので、そことの見合いを考えながら、私は最低保証機能を設けるということを申し上げたので、最低の生活ができるような年金を全ての人に保証するというのは、これは無理ですので、そこは、もう少し今の年金を上乗せして、下がらないようにするということをすれば、生活保護もその分は減ってくるということだと思います。
原田:
ありがとうございます。松本さん、いかがでしょうか。ちょっと、途中でさっき区切っちゃった部分もある。
松本:
生活保護という考え方と、年金という考え方は全く違います。30年くらい前だったでしょうか。生活保護を受ける資格があるにも関わらず、私はそういう国の世話になるなんて恥ずかしいことはしたくない、と頑張った世代がいらっしゃるんです。
年金ということになると、自分が納めた分の年金だからというお話で、しっかり頂けるということになります。その意識改革というのも国民の方に、ぜひ考えていただきたいなと思うんです。
最低保証年金と、生活保護と、どっちが金額的に高いのかということになりますいと、今は当然のことながら生活保護のほうが高いわけです。ですから、生活保護から年金分を引いた分が、生活保護の給付という形になっているんです。そういうことがいいのかどうかということを、もっと国民的議論しなくちゃいけない課題だと思っております。
原田:
ありがとうございます。これでテーマとしては終わりになって、開始から1時間半近く経っているので、ここでお伺いした内容は一旦、区切りとさせていただきます。
最後にそれぞれから、なにか言い足りなかった部分、あるいは選挙戦もまだ真っ只中ですが、そこに関して、最後に挨拶ということで思いを語っていただければと思っていますが、お1人様2分、1人2分ずつでお話をいただければなと思っております。松本さん、2分で。
松本:
ありがとうございます。私たち自由民主党、私の考えはそうでありますが、社会全体で経済活動が活発にならなければ、元気な日本になれない、強い思いを持っております。そして、毎年毎年、自分の収入が増えていくということに、本当にそれぞれが責任を持てなければ、自信を持てなければ、夢とか希望とかっていうのが、どうしても薄らいでまいります。
今日よりも明日、明日よりも明後日、希望がつながっていく、その原動力は、まず経済だと思っておりまして、経済を拡大をしていく。成長をさせていく。そして、成長する経済がもたらす税という富、これを増やしていくことによって、将来、国民負担というものを求めるにしても、その額が小さくなっていくのだろうと、こういうふうに思っておりまして。私たちは、あくまでも成長する経済力、強い経済の日本を作る、この思いに私は懸命に走りたい、それが基本だと、こう考えております。
その経済がもたらす富によって、福祉、これもまた増額、あらゆる部分での働く女性、あるいは保育所、あるいは医療、介護、年金。あらゆる部分の原資は、この国の経済規模が決めてくる、こう考えておりまして、全力でそれに取り組みたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
原田:
ありがとうございます。それでは長妻さん、同じく2分でよろしくお願いします。
長妻:
この世に生まれたからには、一度きりの人生、どなたでも、自分の力を発揮したいというふうに思う気持ちはあると思います。しかし今、日本の社会は、力の発揮を阻む、邪魔する壁が厚く、高くなって、せっかくの力が次々に潰されている。これは最大の問題だというふうに思っております。
どういうご家庭に生まれるかで受ける教育のレベルが全然違う、あるいは非正規雇用が4割を超えて、自分の能力を発揮できない。あるいは男女格差。男女で同じ仕事をしていても、賃金が倍以上違う国なんていうのは、ほとんどないわけであります。あるいは女性は、育児と介護、これに押しつぶされている方も大変多い。
こういう今の力をつぶすような状況をなんとか変えたい。力を潰す、発揮を邪魔する壁を一つ一つ取り除いていく。多様な生き方、価値を認める、そういう社会を作り上げるというのが、我々が目指す社会像。そうすれば多くの人の力が発揮できて、日本はもっと良くなっていくという社会を目指して行きたいということです。
そして、もう1つは、我々、立憲民主党を結党いたしましたけれど、まっとうな政治を実現するということです。数の力よりも、信念の力こそが政治を動かすというふうに我々は考えておりまして。今、本当に理念がブレたり、理念が揺らいでいる時代だからこそ、理念の旗を高く掲げる我々の政党が、日本には必要であると。政治理念がなくなったときに、社会は一気に極端な方向に動く。過去の教訓であります。我々はしっかり根付いた政党として、皆様のご指示を頂きたいということを最後にお伝えさせていただきます。ありがとうございました。
原田:
ありがとうございました。
これでお時間となってしまって、長いようで短い時間の中で、お二方の主張を全部お聞きできるわけにはいかなかったのですが、いろんな話をお聞きできたかなと思っております。今日はお忙しい中本当にありがとうございました。
以上が、公開討論会の議事録となります。有権者の皆様のご参考になれば幸いです。
投票日は2017年10月22日(日)です。当日ご都合の悪い方はもちろん期日前投票も可能です。必ず投票に行きましょう!