POLICY

本年政策


理事・室長 原 達徳

昨今、日本経済は国際競争力ランキング、世界時価総額ランキングでも、年々順位を落としていますが、その一方、日本の貿易における高付加価値化指数は上昇傾向にあり、世界と比べ日本には優れた技術、ノウハウ、時代のニーズに沿った物を作り出すことが出来ていることを表しています。日本が元来持ち合わせている高付加価値に、国や経済団体も推進しているSDGsを新しい価値とすることで、日本経済に高付加価値+新付加価値という新しい企業モデルが確立できます。

日本は、世界に先駆け、急速な人口減少、超少子高齢化の課題に直面し、労働人口の減少によって過去のような経済規模での国際的なプレゼンスを確立できていない状況にあります。しかし、この高付加価値+新付加価値というモデルを世界に向け、指し示すことで、今後日本と同様の課題に直面する国際社会において、日本は課題解決型のフロンティアランナーとなり得ます。

SUMMARY

過去政策のサマリー

JCI東京では、青年会議所の三信条の1つである「世界との友情」のため、世界各国のJCメンバーや各国大使館など様々な団体と連携して事業を行ってまいりました。

文化交流

グローバルシティズンシップをテーマに行った「日本・パラオ文化交流事業」(2016年)では、パラオ共和国観光局と共催し、多くの青年経済人と大学生と同共和国を訪問。両国の大学生、青年経済人が協働してビジネスモデルを考えるプログラム等を開催した。また、同時に行われた交流企画には2,000名以上が参加されました。

和の心を世界へ

2017年には、JCI東京のスローガンを「和の心を世界へ」と掲げ多くの運動を実施した。森記念財団都市戦略研究所などの協力も得て、「世界の都市間協働の下で東京の目指すべき姿」を示す例会を開催。いち早くSDGsに着目し、現状の都市として課題等を提示しました。

SDGsの推進

翌年には、「中小企業のSDGs推進手法を確立」することなどを目的に、SDGsの勉強会を複数回開催し、「中小企業向けSDGs推進マニュアル」を作成し、配布しました。

ビジネスをきっかけとした相互理解

海外ビジネスにおける協働をきっかけに外国人との相互理解を深める「Challenge up Tokyo」を実施(2019年)。国際的視点をもった新ビジネスを考えるワークショップを青年経済人や大学生を集めて開催し、さらに海外のJCメンバーの協力を得て、海外にてプレゼン、マッチングする機会を作りました。

大学生と留学生が「協働」するワークショップ

日本の国際競争力が低下する中で、海外でビジネスをしたり来日する外国人と協働したりできるグローバル人財を育成するため、日本の大学生が、留学生との交流に留まらず「協働」する機会を提供するプログラムを作成。アイセック・ジャパン所属の学生らと協働してワークショップを構築することで、企画を持続可能とすることを目指し、幅広い大学生の参加を促すため、「デザイン思考」をテーマにしたプログラムとしました。

VERIFICATION

過去政策の検証

JCI東京では、それぞれの年でテーマをかえつつも、海外のJCメンバー、各国政府や大使館、民間企業や大学などと連携し、さまざまな国際政策事業を行ってきました。

「日本・パラオ文化交流事業」では、単なる文化交流事業をこえて、日本人がグローバルシティズンシップを理解し、実践することを目的に事業を行い、同国政府や多くの市民の賛同や協力を得ることができました。同事業やその他の国際事業は、JCI東京のメンバーにとっても、視点を「国際」に向け、グローバル化する大きなきっかけとなりました。

さらに、日本人が海外で協働、活躍するためには、日本人の精神性を理解し、それを広められることが必要であるとの理解のもと、JCI東京をあげて運動を実施し、その中で、SDGsに着目し、その推進を進めるきっかけを作りました。

2018年には中小企業がSDGsを認知するための成果物として「中小企業向けSDGs推進マニュアル」の作成を行い、世間に広く浸透するまでには至りませんでした。

2019年、2020年には、青年会議所本来の運動である「持続可能な社会課題解決」を目指した運動を行うべく、外国人との相互理解やグローバル人財の育成につながる「仕組み」を作ることを目指してワークショップやビジネスマッチングを企画し、海外JCメンバーや企業、大学や国際サークルなど多くの協力、賛同を得ることができましたが、「仕組み」の定着までは完遂しませんでした。

HISTORY

政策の歴史

2020年
事業名称
10月第一例会~君の声で世の中が変わる!
社会背景
自分の国の将来について不安はあるものの、自分で国や社会を変えられると思っていないためアクションを起こさない、または課題解決に関与したいと思ってない若者が多くいるところ、社会や問題に対して関心を持ち、誰かがやってくれるだろうという傍観者ではなく当事者の意識で、若者が未来を切り開いていくことが必要である。
目的
自分たちの声で国や社会を変えられることを理解し、行動を起こすことを目的とする。
事業内容

【企画1】国や社会を変えよう~気になるテーマに対してアクションを起こしてみる~

基調講演講師能條桃子氏 デンマーク留学経験で感じた日本との政治的意識の違いや、「NO YOU NO JAPAN」立ち上げの経緯等

【企画2】国や社会を変えよう~国や社会を変える方法を知る~

トークセッション

  • 講師 坂井崇俊氏
  • せやろがいおじさん氏(WEB参加)
  • 室橋祐貴氏
  • 井田奈穂氏
  • 能條桃子氏

【企画3】

●都知事選の討論会を終えて
→都知事選の討論会を受け、投票率やネットを利用した選挙について講師よりコメントをいただき、若年層の政治参加について考える。

【企画4】動画放映(動画)

数名の様々なアプローチで課題を解決している若者を登場させた動画を放映

【企画5】動画同時・事後配信(動画案)

本例会をニコニコ生放送公式チャンネルでの生放送、講師が話した大事なところを数秒~1分程度の動画に切り取り、TwitterやFacebookでの発信、ハイライト版の動画(1,2分程度)の発信、本編動画の事後配信

【企画6】政治行政政策委員会の運動発表

本年政治行政政策委員会でおこなった運動(推進運動・東京都知事選討論会)について運動の報告

【企画7】当日資料(当日資料案)

協力団体のサイト、せやろがいおじさんの動画の掲載されたQRコードを用い本例会がきっかけでその活動に対しアプローチをおこなったかを計測する。

主なターゲット
一般(特に学生を含めた18歳から30代前半の若者) メンバー 関係団体 入会候補者 シニア
2019年
事業名称
7月例会~全市民で語る「令和」の未来予想図~
社会背景
有権者の多くが政策・選挙の争点がわかりづらいと感じ(早稲田大学マニフェスト研究所調査)、この傾向は若年層に特に顕著である。一方、「政治に関心がない」と答えた15~29歳は僅か11%で、31ヶ国中3番目に政治への関心が高い(OECD2016調査)。しかし「自らの考えの発信により社会を変えられるかもしれない」という政治的有効性感覚は他の先進国と比べ低い(内閣府調査)。これらは政治話題が「楽しくない」「縁遠い話」や「他人との価値摩擦を避けたい」という理由(政治とインターネット研究会の調査)に加え、公職選挙法の複雑さと選挙情報取得の難しさ等が要因としてあげられる。これに対し、欧米諸国では若年層を含む多くの市民が政治に関する知識や持論を持ち、家庭、職場や学校において日常的に政治に関する会話をしている。今後、日本でも市民が自らの考えを持ち、気軽に話し合える社会を作ることで、多くの市民の政治参画が期待できる。
目的
市民が政治を身近に感じ、政治について気軽に語り合える土壌を作ること
事業内容

【政治×政策】

政党へのヒアリング内容を基に政策や争点をグラフや図式を用いた資料を作成し例会当日に配布。関係団体で行っている情報取得ツール等の宣伝や、公職選挙法による公示日後の公開討論会の開催制限について当委員会の見解をまとめる。

【政治×教育】

4月~6月に実施した模擬請願授業の発表。模擬請願授業を受けた中学生の登壇による主権者教育の在り方について感じたことを発表。登壇中学生に本討論会において各政党代表者に聞いてみたい争点(テーマ)を挙げてもらう。

【政治×インフルエンサー】

関係団体メンバーとタレントゲストのトークセッション形式での討論会の政策や争点についてクロストーク

【政治×市民参画】

各政党より、優先度・注力度が高いものを各政党に発表してもらう。㈱PoliPoliと連携し、質問事項などを纏め、それに対する質問を投げかける。参加者の反応を㈱VOTEFORのアプリを使用しリアルタイムで結果を表示し参加意識を醸成する。

【政治×交流】

ゲーム性を取り入れながら、議員と市民が気軽に会話をすえう。ブースを設置し各団体の活動報告などの発信を行う場とする。

【政治×発信】

政策一覧表や公開討論会の動画をWEBページに掲載し、SNS、関係団体HPにリンクを貼るり、タレントゲストによる発信力を生かし広く市民に周知するともに、各種メディアを本討論会に呼び込む

主なターゲット
若年層 市民 各政党 メンバー 議員
2018年
事業名称
推進運動 国際政策室室事業
社会背景
グローバル経済の下では、一国の経済危機が瞬時に他国に連鎖するのと同様に、地球規模の課題もグローバルに連鎖して発生し、経済成長や社会問題にも波及して深刻な影響を及ぼす時代になってきている。このような状況を踏まえ、先進国と開発途上国が共に取り組むべき国際社会全体の普遍的な目標として、17のゴールから構成される「持続可能な開発目標」(以下、SDGs)が国連にて採択された。SDGsは、2030年に向けた持続可能な開発に関する地球規模の優先課題や世界のあるべき姿を明らかにし、一連の共通の目標やターゲットを軸に、地球規模の取組みを動員しようとするものである。各国の取組は、開発途上国の開発に協力する姿勢で取り組むだけでは不十分であり、国際社会の持続可能な未来に向け、日本政府はSDGs推進本部などを設置しその推進と達成に注力しているが、達成状況は157か国中11位、達成項目は17項目中3項目であり、更なる推進と達成が望まれる。
目的
中小企業のSDGs推進手法を確立し、地球的課題の解決と経済活動を結びつけること
事業内容

【社会実験(SDGs勉強会)】

田瀬氏を講師とした計6回の勉強会を通じ、SDGsについて理解を深め、メンバーと勤務先等民間企業(目標100社)へ浸透と推進を図る。参加企業が発表する場を設け、その達成度を確認し、達成が困難な場合はその理由や解決方法を探る。

【社会実験(中小企業向けSDGsマニュアルの作成)】

田瀬氏の監修の下、勉強会でのフィードバックをもとに、中小企業向けSDGs推進マニュアルを作成する。

【東京JC2020連携室との合同勉強会】

東京JC2020連携室のアドバイザーの舛本氏と国際政策室のアドバイザーの田瀬氏にSDGsの『持続可能な生産消費』をテーマに環境や持続可能性について、3月に勉強会を開催する。

【5月例会の主管】

国際渉外連携委員会と連携及び協力し、アジア太平洋国際都市会議(APICC)を例会に取り込み、5月例会を開催する。

【政策提言】

中小企業向けSDGsマニュアルの作成課程において抽出した課題やアンケート結果、5月例会で得られた諸外国の推進事例などから、中小企業へのSDGsの推進手法をまとめ、政策提言を行う。

主なターゲット
中小企業・メンバー
2017年
事業名称
10月例会 和の心を世界へ ~東京を世界一の都市に~
社会背景
国際環境の変化が目まぐるしく、ヒト・モノ・カネ・情報・サービスが国境を越えて流動している今日において、外国人と相互理解を進め、各国と協調していくことは、国際社会にとって共通の課題である。日本における在留外国人数は平成27年末で223万人を超え、訪日外国人の数も2400万人を超え、ともに増加を続けている。また、2016年「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)によると、世界の都市間競争において、東京は世界3位になっているが、世界一の国際都市東京として国際社会でリーダーシップを発揮するためには、3月例会で提言した、和の心を学ぶことにより日本人としてのアイデンティティを一人一人が確立するとともに、国境を超えた世界の諸問題を解決するべく、他を慮り、秩序や礼儀を重んじ、謙虚で節度ある行動やおもてなしを美徳とする「和の心」を世界中に拡げることが求められている。
目的
世界の都市間競争の下で東京の目指すべき姿を理解し、世界中に和の心を拡げていく担い手となること
事業内容

【基調講演1】国際的な都市間競争における東京の目指すべき都市像(大和氏)

【狙い】2017年10月に発表される「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI)をもとに、国際的な都市間競争において、東京が今後、世界一の都市として十分な国際競争力と高い磁力を維持していくために必要不可欠な要件や課題について、世界の都市との比較から指し示す。

【基調講演2】美徳溢れる国際都市東京に求められる真の国際人(田瀬氏)

【狙い】国際環境の変化が目まぐるしい現在において、これからの日本の役割と挑戦という観点から講演頂く。持続可能な開発目標(SDGs)に則り、多様性と調和の重要性を認識し、新たな価値を生み出し成長し続ける都市東京を目指す中で、日本人としての自覚と誇りをもって、積極的に世界と関わる国際人のロールモデルを示す。

【パネルディスカッション】

  • 大和氏
  • 田瀬氏
  • 松嶋氏

【狙い】国境なき経済が展開されるなかで、世界とともに生きるために、モノ・カネの国際化のみならず、文化や習慣などの心理面や精神面の国際化も必要である。将来にわたり日本の競争力を維持するためには、国内制度・生活環境や、外国人を活かす環境づくりが求められている。国際都市の比較から日本としての強みや東京の理想像を来場者へ伝え、意識改革を促す。

【美徳溢れる国際都市「東京」の実現に向けた提言】

【狙い】国際都市推進員会の運動のまとめとして、美徳溢れる国際都市「東京」の実現に向けて、どのように真の国際人として世界に和の心を拡げていくのか提言を行う。多くの外国人と交流する機会が増えていく中、臆せず積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や日本人としてのアイデンティティをしっかり持ち、豊かな国際感覚を推進する必要性を伝える。

【事後報告】報告書

【狙い】本年度の国際政策室が掲げる2つの運動テーマをまとめた報告書を作成する。内容としては日本文化を通じた日本の精神性を学ぶ運動(インプット)と、4月例会や大使館勉強会、国際色ある地区事業や全体事業(訪中ミッションやさくらサイエンス、SMBPなど)、JCI諸大会での交流などで世界に向けて日本の魅力を発信する運動(アウトプット)を取りまとめる。

主なターゲット
メンバー・成人~高齢者
2017年
事業名称
4月例会 Make Borderless Friendship ~Shall We Talk!? Cross Culture Presentation!!~
社会背景
ヒト・モノ・カネ・情報・サービスが国境を超える中で、世界の抱える問題・課題も国境を越えており、他国と協力しなければ解決することが難しい。世界に誇る国際都市の一つである東京においても、多様な価値観や異なる社会背景を持つ外国人と相互理解ができる人材が必要とされている。しかしながら、第5回都民調査において、約7割の都民が外国語を上手に話せないことや文化・社会背景の違いから、外国籍の方への接し方が分からないと回答している。また、IMDの国際ランキングでは、「外国人にとっての勤務場所としての魅力」は77位と低迷しており、国際都市であるはずの東京において、外国人との相互理解がうまく進んでいない現状が見て取れる。日本人としての自覚と誇りを併せ持ち、海外諸国の様々な価値観を柔軟に受け入れ、国際社会でリーダーシップを発揮できる人材が、日本社会に求められている。
目的
外国人と相互理解を深め、能動的に民間外交を行うようになること
事業内容

【事前準備:大使館訪問】

東京都内に複数ある各国の大使館へ訪問する。
【ねらい】本例会への協力・動員依頼を行い、3月・4月例会に、真の国際人として活躍する都内在住の外国人をより多く巻き込む。また、東京JCメンバーシップ特別会議・対外連携推進会議と連携し、入会歴の浅いメンバーに外国の文化や精神性を学ぶ機会を提供するとともに、各国大使館と東京JCの継続的な協力体制を築くきっかけとする。

【事前準備:研修会】

本例会で行うグループワークのファシリテート役として、国際政策室メンバーと、23地区委員会のメンバーに協力を仰ぎ、事前研修会を行う。青年会議所会館にて、例会前、2回に分けて研修を実施する。
【ねらい】外国人と相互理解を深めるグループワークの進行をメンバーが学ぶことで、例会後、各地区の国際事業等で、本プログラムを活用した国際交流運動が展開できるようになる。

【相互理解グループワーク①アイスブレイク(清水トレーナー・ファシリテーター)】

1組10人程度の日本人と外国人が混ざったグループを作り、相互理解を促すアイスブレイクを行う。
【ねらい】フラフープやボールを使い、グループごとに目標を設定し、互いに目標達成に向け協働する。外国人と身体を使ったコミュニケーションを行うことで、言語に頼らない意思の疎通を図り、外国人との相互理解を深める入り口とする。

【相互理解グループワーク②(清水トレーナー・ファシリテーター)】

色とキーワードを用いて自国のアイデンティティや精神性をお互いに表現し、その背景についてグループで話し合う。
【ねらい】それぞれが選んだ色やキーワードの違いにより、日本人と外国人の異なる価値観、精神性を理解する。3月例会で学んだ自国のアイデンティティや精神性を、外国人に伝える実践の場とする。

【今後のつながりの確保:SNS / 名刺交換による繋がりの確保】

国際交流を促すfacebookページへ例会参加者を招待。グループ内の方と名刺交換・交流を促す幹事を決定する。
【ねらい】写真や動画を通じ、国際交流の輪を広げ深める。第5回都民意識調査で「気軽に参加できる国際交流の機会がないこと」に、このコミュニティを通じて対応する。また、第二回目の国際交流の機会を提供する。本例会後の国際交流コミュニティの礎とする。

主なターゲット
青年・学生・子供(日本人)・大使館関係・在住外国人・メンバー