POLICY

本年政策


理事・室長 柴田 佳佑

内閣府の意識調査によると、若者の50.1%が「政治に関心を持っている」と回答していますが、実際の投票行動には至っていません。民主主義においては、主権者である市民の意思決定の過程が政治に現れるべきであるにもかかわらず、我々個人は、最も尊重されるべきである個人の意思を表現せずにいるのが現状です。

市民がより良い社会、より良い未来を、自らの意思で選択するためには、市民一人一人が民主主義の本質・政策を理解し、参加意欲をもち政治に関わる必要があり、東京JCは、地域行政、地域経済とつながりが深い公益団体として、市民一人ひとりに働きかける取り組みを行うことができます。

SUMMARY

過去政策のサマリー

公開討論会

公開討論会とは、選挙の告示前に立候補予定者等から政策等を聞く会であり、公益社団法人としての東京青年会議所が公平中立な立場で公開討論会を開催することは、市民に政治関心を高め投票行動を促すものとして重要であると位置付けてきました。これまで、東京青年会議所では、23区及び東京都の議員選挙における公開討論会に加え、国政選挙について継続的に公開討論会を開催してきました。2009年以降の国政選挙における公開討論会は次の通りです。※東京JCにおける公開討論会についてはさらに26頁参照

開催方法の変遷(来場型/WEB型/複合型)

初開催以来、来場型での開催でしたが、インターネット技術の発展も伴い、2013年以降WEB型での開催を主として実施しました。しかし、公開討論会は、市民にとっては候補者の政策や人柄を自らの目で判断できる場であり、候補者にとっては自らの政策を直接市民に伝えることが出来る場であることから、来場型公開討論会を望む声が圧倒的に多いことを受け、近年は来場型+動画配信の複合型形式で実施することとしてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行から、2020年以降はWEB型での開催としています。

今後の展望

公開討論会は、「民本位の政治の実現」を目的に開催されてきました。公開討論会という手法のみによって、投票率を向上したり主権者意識を向上したりするには、必ずしも、直接的、即効性の効果は高くないとも言われています。しかしながら、明るい豊かな社会の実現に向け、政策本位の政治家を選択することのできる機会の提供として、公開討論会は引き続き一定の意義を有し続けています。東京青年会議所は、政策本位の公開討論会を開催し続け、掲げられた政策が確実に実現される社会をつくると同時に、根本療法となる主権者教育事業(下記)を並行して実施することが、投票率の向上、民主主義社会の実現に繋がると考えています。

VERIFICATION

過去政策の検証

推進事業(模擬討論会、模擬選挙、模擬請願)

政治行政政策分野における推進事業とは、若者の主権者教育を向上するための教育的施策(主権者教育)の実施をいいます。2016年6月の18歳選挙権の導入後、総務省、文科省を中心に主権者教育が提唱されてきました。東京青年会議所では、それ以前から、若者の主権者意識の向上に向け、継続的に主権者意識向上のための教育的施策を実施しています。◎模擬討論会(模擬議会)の取り組み 2009年度~◎模擬選挙の取り組み 2014年度~2017年度(対象:高校生&中学生) 中央区、荒川区、豊島区他各地区で開催◎模擬請願の取り組み 2019年度~

趣旨、目的

模擬討論、模擬議会は、民主主義における討議の過程を疑似体験するものとして、模擬選挙は、同じく選挙による代表の選出の意義を中学生、高校生が模擬体験するものとして位置付けられてきました。2019年度からは、主権者意識の根幹をなすのは社会の一員としての意識「シチズンシップ」であるという意識のもとに、社会参画意識を高める取り組みとして、「模擬請願」を導入しています。

HISTORY

政策の歴史

2020年
事業名称
10月第一例会~君の声で世の中が変わる!
社会背景
自分の国の将来について不安はあるものの、自分で国や社会を変えられると思っていないためアクションを起こさない、または課題解決に関与したいと思ってない若者が多くいるところ、社会や問題に対して関心を持ち、誰かがやってくれるだろうという傍観者ではなく当事者の意識で、若者が未来を切り開いていくことが必要である。
目的
自分たちの声で国や社会を変えられることを理解し、行動を起こすことを目的とする。
事業内容

【企画1】国や社会を変えよう~気になるテーマに対してアクションを起こしてみる~

基調講演講師能條桃子氏 デンマーク留学経験で感じた日本との政治的意識の違いや、「NO YOU NO JAPAN」立ち上げの経緯等

【企画2】国や社会を変えよう~国や社会を変える方法を知る~

トークセッション

  • 講師 坂井崇俊氏
  • せやろがいおじさん氏(WEB参加)
  • 室橋祐貴氏
  • 井田奈穂氏
  • 能條桃子氏

【企画3】

●都知事選の討論会を終えて
→都知事選の討論会を受け、投票率やネットを利用した選挙について講師よりコメントをいただき、若年層の政治参加について考える。

【企画4】動画放映(動画)

数名の様々なアプローチで課題を解決している若者を登場させた動画を放映

【企画5】動画同時・事後配信(動画案)

本例会をニコニコ生放送公式チャンネルでの生放送、講師が話した大事なところを数秒~1分程度の動画に切り取り、TwitterやFacebookでの発信、ハイライト版の動画(1,2分程度)の発信、本編動画の事後配信

【企画6】政治行政政策委員会の運動発表

本年政治行政政策委員会でおこなった運動(推進運動・東京都知事選討論会)について運動の報告

【企画7】当日資料(当日資料案)

協力団体のサイト、せやろがいおじさんの動画の掲載されたQRコードを用い本例会がきっかけでその活動に対しアプローチをおこなったかを計測する。

主なターゲット
一般(特に学生を含めた18歳から30代前半の若者) メンバー 関係団体 入会候補者 シニア
2019年
事業名称
7月例会~全市民で語る「令和」の未来予想図~
社会背景
有権者の多くが政策・選挙の争点がわかりづらいと感じ(早稲田大学マニフェスト研究所調査)、この傾向は若年層に特に顕著である。一方、「政治に関心がない」と答えた15~29歳は僅か11%で、31ヶ国中3番目に政治への関心が高い(OECD2016調査)。しかし「自らの考えの発信により社会を変えられるかもしれない」という政治的有効性感覚は他の先進国と比べ低い(内閣府調査)。これらは政治話題が「楽しくない」「縁遠い話」や「他人との価値摩擦を避けたい」という理由(政治とインターネット研究会の調査)に加え、公職選挙法の複雑さと選挙情報取得の難しさ等が要因としてあげられる。これに対し、欧米諸国では若年層を含む多くの市民が政治に関する知識や持論を持ち、家庭、職場や学校において日常的に政治に関する会話をしている。今後、日本でも市民が自らの考えを持ち、気軽に話し合える社会を作ることで、多くの市民の政治参画が期待できる。
目的
市民が政治を身近に感じ、政治について気軽に語り合える土壌を作ること
事業内容

【政治×政策】

政党へのヒアリング内容を基に政策や争点をグラフや図式を用いた資料を作成し例会当日に配布。関係団体で行っている情報取得ツール等の宣伝や、公職選挙法による公示日後の公開討論会の開催制限について当委員会の見解をまとめる。

【政治×教育】

4月~6月に実施した模擬請願授業の発表。模擬請願授業を受けた中学生の登壇による主権者教育の在り方について感じたことを発表。登壇中学生に本討論会において各政党代表者に聞いてみたい争点(テーマ)を挙げてもらう。

【政治×インフルエンサー】

関係団体メンバーとタレントゲストのトークセッション形式での討論会の政策や争点についてクロストーク

【政治×市民参画】

各政党より、優先度・注力度が高いものを各政党に発表してもらう。㈱PoliPoliと連携し、質問事項などを纏め、それに対する質問を投げかける。参加者の反応を㈱VOTEFORのアプリを使用しリアルタイムで結果を表示し参加意識を醸成する。

【政治×交流】

ゲーム性を取り入れながら、議員と市民が気軽に会話をすえう。ブースを設置し各団体の活動報告などの発信を行う場とする。

【政治×発信】

政策一覧表や公開討論会の動画をWEBページに掲載し、SNS、関係団体HPにリンクを貼るり、タレントゲストによる発信力を生かし広く市民に周知するともに、各種メディアを本討論会に呼び込む

主なターゲット
若年層 市民 各政党 メンバー 議員
2018年
事業名称
ハロウィンから考える私たちの一票 ~自分から変わる。自分が変える。みんなの未来、次世代の未来~
目的
若者・子育て世代を中心とする市民が、政策により一票を投じる政治参画意識の重要性を理解すること
事業内容

<例会開催>

【パネルディスカッション①】

政治家・学生団体・子育て一般参加者・JCにより意見抽出とともに課題となる問題を抽出し課題に関する政策について協議した。

【パネルディスカッション②】

登壇した一般参加者の質問に対し、子育て世代の議員(国会議員、都議会議員、区議会議員)が各々の視点・立場で政策を踏まえ回答した。

【パネルディスカッション③】

市民が政治に関心を持ち、投票することで自分たちに関わる政策が実現されることを知ることでの今後の社会について議論した。またパネルディスカッションの最後には討論会の重要性を参加者に伝えた。

主なターゲット
10代~20代(学生、社会人等)、子育て世代(20代から40代)
2017年
事業名称
TOKYOプロデュース会議 ~大学生が創る!都議選公開討論会~
目的
投票経験のない大学生に政策情報を伝え、投票行動を起こすこと
事業内容

<例会開催(都議選公開討論会)>

【大学生を中心とする事前準備①(政治家への事前インタビュー)】

例会当日に先立ち、実行委員会メンバーの大学生が中心となって、学生が会いたい政治家にインタビューに訪れて、話を聞いた。

【大学生を中心とする事前準備②(例会直前の実行委員会)】

例会当日に先立ち、大学生と実行委員会を開催し、事前インタビューの内容も踏まえた上で、公開討論会で議題とすべきトピックの選定を行なった。

【都議選関連事業の実施&政治行政政策特別委員会との連動】

全地区委員会において、公開討論会等の都議選関連事業を実施する。実行委員会の大学生を各地区に派遣し、政治行政政策特別委員会も各地区と一体となって運営を行った。

【例会当日①(都議会各会派代表による討論)】

都議会各会派代表を招き、2020年オリンピック・パラリンピック、子育て、国際化、インフラ整備等の政治的課題の中から事前の実行委員会で選定したテーマについて、討論した。

【例会当日②(大学生による質問)】

討論会においては、大学生から、事前の実行委員会での議論を踏まえて、各会派代表に対して質問した。。

【例会当日③(ダイバーシティに関する質問)】

討論会においては、議題の一つとしてダイバーシティに関する質問をした。また、東京JCの取組を紹介した。

主なターゲット
大学生・JCメンバー
2017年
事業名称
「ニュース読解力養成講座 ~メディアのプロが教えるニュースのミカタ~」
目的
投票経験のない大学生が、ニュースに関心を持ち、自分なりの考えを持つようになること
事業内容

<例会>

【大学生と実行委員会を組成】

大学生と実行委員会を組織し、年間を通じて協働した。

【全体】

都政に関するニュースを題材に、ニュースの見方を伝える。第1部の基調講演で、ニュースに関心を持ち、解釈することの重要性を伝えるとともに、第2部への導入として、都政についての基本的な知識を説明する。第2部では、大学生30名に登壇してもらい、各メディアの論説委員とパネルディスカッションを行い、ニュースの見方を学び自分なりの考えを持つようになって、例会後の都議選報道を見る意識を高め、投票行動へ繋げる。

【第1部・基調講演】

フジテレビ上席解説委員である平井文夫氏に、社会人としてニュースに関心を持つこと、ニュースを解釈することの重要性を伝える。それが就職活動や社会人生活にどのように生きるかについても触れる。また、第2部への導入として、都政の基本的な知識を、分かりやすくお話し頂く。大学生30名も登壇したスクール形式で進行し、質疑応答を行った。

【第2部・論説委員3名と大学生30名のパネルディスカッション①】

組成した実行委員会や協力団体から大学生30名の登壇者を募り、3名の論説委員と議論した。

【第2部・論説委員3名と大学生30名のパネルディスカッション②】

平井文夫氏、坪井ゆづる氏、土屋直也氏、大学生30名に登壇して頂き、都政に関するニュースを題材として、ニュースの見方について議論した。

主なターゲット
大学生・JCメンバー